慢性疲労(虚労)の予防と養生法
働きすぎ、過度の運動、神経の使いすぎ、いろいろなストレスの中で生きている私たちにとって、疲労あるいはそれに伴う倦怠感は免れない生理現象と言えましょう。
普通は、適当な休養やレクリエーションをとれば解消するのですがなかにはこれがなかなか取れないことがあります。体質的に弱い方、長い間の過労が積み重なった場合、冷え症の方、体格は立派で体力があってもどこかバランスがとれていない場合など、それぞれケース・バイ・ケースで違った薬を用いるのが漢方の治し方です。
皮膚病の養生法(湿疹、皮膚炎、かぶれ、じんましん)
湿疹とかぶれは、皮膚病の中で最も多い病気です。
湿疹、皮膚炎のできやすいところへ、いろいろな刺激が加わって起こるものです。
内因の皮膚病素質の大部分は、アレルギー体質でこれは肝臓、腎臓、胃腸系、ホルモン系、自律神経系に関連しています。
従って、血管神経の異常や新陳代謝に関する諸疾患が原因となります。
泌尿器の病気の養生法
過労と刺激物(酒、香辛料、塩)などを避け、水分をなるべくとるように注意されますが、冷たい飲みものより温かい飲みものにし、生活環境は暖かくしてとくに腰部を冷やさないようにしましょう。
病気を治すのは薬だけではありません。あなた自身の持っている病気を治そうとする自然治癒力の本能です。その本能を早く充分に出さすためには規則正しい節度ある生活を送ることに心がけることが大切です。
冷え症の養生法
わが国では女性の半部以上が冷え症です。これは背中とか、足腰のあたりが冷えびえする感じのする症状で、医学の統計によると、100人中の60人までがこれにかかっているといわれ、世界中で日本にだけしかない独特のものである。
今日の西洋医学では冷え症を根本的に治す薬は残念ながら存在しない。そこでいろいろと日常生活を改善することに努める。
アレルギー性鼻炎の養生法
アレルギーとは、生体に変化をおこす原因となる”抗原”に対して特異的に結びつく”抗体”が生体内に作られて抗原・抗体反応を起こした結果のことをいいます。
一般にアレルギー疾患といわれるのは、病気の本態がアレルギーという異常反応によると考えられている病気のことです。アレルギーは体質が大きく関係しています。体質とは、遺伝・心理的因子・食生活などによります。
胃腸病の養生法
胃腸は食物を消化吸収する大切なところで、その働きが弱り栄養分を摂れなくなると、ほかの臓器にも障害が起こり、他の病気も誘発します。
また、貧血や血液循環の悪い人は、胃腸に充分な血液が送られないため、その働きが悪くなり、炎症を起こしたりもします。
神経の疲労は、ホルモン分泌を乱し、胃腸を働かせる自律神経を狂わせて胃腸の運動や消化液の分泌も異常にします。胃腸を丈夫にして健康を保つには、もちろん食養生、規則正しい生活、適度の運動も必要です。
風邪の養生法
1、普通感冒
身体を冷やしたり、疲れさせた時に、鼻、のど、気管などにいる感冒ウイルスが活躍し始めたために起こる病気。
2、流行性感冒(インフルエンザ)
インフルエンザウイルスによって起こるもので、普通の風邪よりは伝染しやすく症状も激しい。(頭痛、高熱、関節痛、筋肉痛を伴う)
肩こりの養生法
長時間の緊張が続く状態から血行が悪くなりうっ血し、酸素不足と疲労物質のよどみで肩こりがおこります。仕事や姿勢の連続で運動不足です。
またメガネの度が合わず眼精疲労からストレスが続き肩こりをおこす事もあります。あるいは、長時間の筋肉の緊張状態から筋肉の伸縮の機能低下から硬化が始まり神経や血管が圧迫されて、しびれや痛みが起こったり、高血圧・更年期のように血圧やホルモンの関係するものもあります。貧血、便秘、風邪、虫歯、中耳炎でも起こるし、内臓の病気や背骨の病気からも肩こりはおこります。
肝臓病の養生法
肝臓では、吸収された栄養物はどんどん身体に必要な形に作り変えられ、血中に送られます。またエネルギー源として貯えられる分もあり、これらは必要に応じて分解され、血中に送り出されています。肝臓は物質を変化させるいわば化学工場の働きをしているのです。
体外から入ってきた有害物質や、体内で生じた有害物質を、毒性の少ない形に変え、解毒します。この時尿中に溶けやすいように水溶性物質にも変えているので、解毒物は腎臓から楽に排泄されます。
高血圧の養生法
漢方薬は、降圧剤と異なりあくまでも全身のバランスを整え、その結果、血液の正常化をもたらすのが原則である。従って時間はかかる事が多いが正常値に戻った場合には、血圧を亢進させる条件がある程度改善されているので、廃薬ないし中休みしても容易逆戻りしにくいというのが西洋医薬との相違となる。
しかし養生法を確実に守って、再び上がらないようにという生活は、なかなか大変なので、その後も体に良い環境を継続的に作り続けることが望ましい。
更年期障害と血の道症の養生法
更年期とは世間一般によく使われる言葉であるが医学的に定義するとかなりむつかしい。成熟期から老年期に移行する数年間を更年期と考えていよい。
かつては45歳前後であったが近頃は45歳から50歳と遅れて現れるようになった。女性生理の上で更年期におこる出来事は排卵の停止と月経閉止である。この期間に肉体的に精神的にいろいろな老化と異常が出てくる。これを更年期という。
痔疾・脱肛の養生法
(痔の種類)
・いぼ痔(内痔核・外痔核)・きれ痔・脱肛
・肛門周囲膿瘍・痔ろう
(食生活)
①便秘は危険信号
油の多い食物や肉類をへらし、便通を整えるよう、朝は冷たい牛乳や野菜類をつとめてとりましょう。快便、快食、快眠は健康の基本条件です。
②チョットいっぱいは油断大敵
アルコール性飲料、刺激物や濃厚な紅茶、コーヒーは、うっ血を助長するもとになりますので、出来るだけ避けましょう。
神経痛、関節炎の養生法
漢方ではこのような病気を昔(風湿)とよんでいました。
神経痛やリューマチで痛むのは、冷え込みと湿気が重要な役割をしています。冷えと湿気には気をつけ、温めるように心掛けましょう。
また食べもの飲みものに注意し、夜ふかし、過労にならないように気をつけること、つねに愉快な気持ちをもち、排尿と便通をつけるのが、一般的養生法です。
ぜんそくの養生法
気管支炎は、セキやタンその他の症状が気になり、気管支喘息では発作がたいへん苦しので、つい一時的にこれを止めることに注 意をはらいがちですが、発作が起きないように体調をととのえたり、神経過敏にならないようにすることも大切です。
喘息の発作には疲労が重なっていたとか睡眠不足、食べ過ぎ、風邪もひいていたなど生活リズムの乱れが大きく関与しています。
規則正しい生活を送ることが養生法の第一です。